未来のモビリティソリューションを創造する要素技術と持続可能な社会の実現に貢献する先進技術の開発に取り組んでいます。
自動運転や運転支援の機能を進化させるためには、走行環境を認識する外界センシングの技術開発が重要となります。一般道を含む複雑な走行環境を信頼性高くセンシングするため、走行環境を三次元的に捉えることを特長とするステレオカメラ、複数センサーで対象物を安定に検知するセンサーフュージョン機能、膨大な計算を必要とするAIを車載機器に実装する技術など、安全・安心を実現する先進技術を開発しています。
左右の二つのカメラの見え方のズレ「視差」から視差画像を生成し、視差画像から任意形状の立体物(@、A)を検知します。さまざまな物体の識別には、AI技術を使用しています。
安全性と快適性を提供する自動運転やコネクテッドカーの実現に向けた車載ユニットの開発を進めています。セントラルゲートウェイは、センターと連携した制御ソフトウェア更新機能により、機能のアップグレードを可能にします。また、車両内外の脅威から車両を守るための情報セキュリティ機能も搭載しています。自動運転制御ユニットは、認識処理用と車両制御用に二つのCPUを搭載することで、機能安全規格ASIL−Dに準拠した安全性と高速演算性能を両立し、高精度な車両統合制御を実現します。
ASIL: Automotive Safety Integrity Level
C2X: Car-to-X
CAN: Controller Area Network
CAN FD: CAN with Flexible Data Rate
LiDAR: Light Detection and Ranging
Ethernetは、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の登録商標です。
電動車両の多様なニーズに応えるため小型・高出力の電動パワートレインコンポーネントを開発しています。
パワーモジュールを効率よく冷却できる両面直接水冷方式の採用により小型インバーターを実現しました。充電時間を短縮するため、システム電圧800Vにも対応可能です。
モーターについては、振動低減制御技術や最高回転数の向上により、出力を維持したまま小型化する技術を開発しています。
キャリア波の位相をシフトすることで@モーター形状起因のトルク脈動を、A歪み電流起因の逆位相トルクで打ち消す振動低減技術を開発
脱炭素社会の実現に向けて普及が進むEV向けに、小型・軽量のダイレクト駆動システムを日立製作所と共同で開発しています。従前の課題であったホイール内の重量増加に対し、モーターを軽量化することで世界トップクラスのパワー密度を実現し、さらにインバーターとブレーキの一体構造においてもサスペンションなどの既存構造を大きく変更せずにホイール内部への搭載を可能としました。今後、実用化に向けた研究を進め、車内空間やバッテリー設置スペースの拡大が容易なインホイール式EVの実現に貢献していきます。
自動車の安全性向上には「走る」「曲がる」「止まる」といった運動をつくり出すシャシー系/パワートレイン系デバイスが重要な役割を担います。電動化、自動化が進む車両システムにおいて、これらのデバイスを統合的に制御することで、車両に発生する加速度、加速度変化を好適にするため、加速変化を抑制するDynamics planningやカーブ走行時の加速度制御、高速道路の車線変更における乗り心地制御、発進/停止時の乗り心地制御といった「安全」かつ「安心」「快適」な移動を実現する技術を開発しています。
AD:Autonomous Driving
ADAS:Advanced Driver Assistance Systems
EPS:Electric Power Steering
LiDAR: Light Detection and Ranging
SBW: Steering By Wire
ABS:Anti-lock Braking System
二輪車向けの電動制御ブレーキシステムであるABSシステムは、四輪車の技術をベースに重量、容積を大幅低減することで搭載性を上げるほか、二輪車の運動特性に合わせた制御を行うなどの機能を付加しています。二輪車の安全性を高めるために、前後輪を制御する大型二輪車向けの2チャンネルシステムに加えて、小型二輪車への搭載性を高めるために前輪のみを制御する1チャンネルシステムを開発しています。
当社では、自社施設で実証試験を繰り返し、実車による完成車領域の感応評価の向上、システム開発の進化などをねらいとして、多様化する市場ニーズに対応できるよう搭載部品・システムの信頼性向上に努めています。
十勝(北海道)
佐和(茨城県)
塩谷(栃木県)