2024年9月13日
9月7-8日、MFJ全日本ロードレース選手権の第6戦がオートポリス(大分県)で開催されました。今大会は5月の第3戦菅生以来の全クラスでの開催となり、ST1000クラスには鈴鹿8耐でもリハビリ中の渡辺選手に代わりチームに加入して活躍した羽田太河選手がスポット参戦しました。
土曜日のJSB1000クラスの野佐根選手は、Race1決勝で3番グリッドから好スタートを切り2番手に浮上。2周目にはポールポジションスタートのYAMAHAの中須賀選手をかわしてトップに立ちましたが、ジャンプスタート(スタートシグナルが消える前にマシンが動き出すこと)の判定により、ライドスルーペナルティ(速度制限に従ってピットレーンを通過しそのまま停止することなくレースに合流することが義務付けられた罰則)を受け、最後尾からの追い上げとなりました。レース中盤にはクラッシュによる赤旗中断があり、残り8周の再スタート後、怒涛の追い上げを見せ、12台を抜いて4位でゴールしました。
日曜日のRace2決勝も3番グリッドからスタートし、2周目には2番手を走行していましたが3周目YAMAHAの岡本選手に抜き返されポジションダウン。その後はHONDA勢3台で3位争いが繰り広げられ、何度も順位が入れ替わる激しいバトルとなりましたが、惜しくも4位に終わりました。
ST1000クラスの羽田選手は、初めてのST1000車両にもかかわらず、持ち前のマシンコントロールで予選ダブルポールポジションを獲得。土曜日のRace1決勝では、2番手のTeam HARC-PROの國井選手と接戦を繰り広げ、2周目と7周目にトップを奪われるもののすぐに抜き返し、その後もトップの座を譲らず優勝を果たしました。翌日のRace2決勝では國井選手との一騎打ちとなり、最終ラップの第2ヘアピンでオーバーテイクを仕掛けましたが、イエローフラッグが振られていたため勝負を決められず、惜しくも2位となりました。しかし、スポット参戦でありながら連続表彰台を獲得する大活躍を見せました。
J-GP3クラスのタナチャット選手は決勝レースを12番グリッドからスタートし、3台を抜いて9位でのゴールとなり、目標としていた10位以内を見事に達成しました。
今回の第6戦オートポリスでは、Astemo Honda SI Racingから参戦した全てのライダーが10位以内に入る好成績を収め、チームの強さとAstemo製品の高い性能を示すことができました。
■チームコメント
- 伊藤 真一監督
「今回のオートポリスラウンドもAstemo様を始め多くの皆様にご協力をいただき感謝申し上げます。JSB1000の方は、さらにバージョンアップをして臨んだのですが、まだ力を出し切ることができなかった部分がありました。その中でも予選では3番手になりましたし、トップとの差は着実に縮まってきています。レース1では納得いかないペナルティもありましたが、まだまだ課題が残っているのが現状です。Astemo様もすごく力を入れてくれていますし、次戦、岡山はテストがあるので、そこでしっかり仕上げて最終戦鈴鹿までに野左根を優勝させたいと思っています。ST1000では、渡辺の代役として羽田に参戦してもらいレース1で優勝、レース2でも2位と良いレースをしてくれました。作本の方は、普段レースウイークでやらない部分も変更して挑みました。この後、ARRCマレーシアに代役参戦するので、そこでもセットを進めて、作本の得意な岡山に臨みます。J-GP3のタナチャットは慣れない環境の中で成長してきました。この後のアジアタレントカップでも頑張ってもらいたいです」
- 野左根 航汰選手
「事前テストが台風で中止になってしまい、レースウイークに入ってから新しいパーツを試しながら、自分自身もライディング面で対応できていたので、全体的なパフォーマンスが上がっている手応えがありました。オートポリスは特にタイヤマネジメントが重要なのですが、温存していたつもりが厳しい状態になってしまっていたので、もっと改善していきたいです。今回は表彰台が見えていたので、自分も表彰台を獲りたかったですし、チームにプレゼントしたかったので、すごく悔しいです。マシンもどんどんアップデートしてくれていますし、次戦岡山こそ勝負していきたいです」
- 羽田 太河選手
「まずは、代役参戦の機会をくださったチームに感謝します。事前テストが台風で中止になってしまい、レースウイークからST1000仕様のHonda CBR1000RR-Rに乗り始めました。セッティングを進めるというよりも、制御も最低限に抑えてマシンに慣れてコントロールすることに集中しました。チームのバックアップのおかげでポールポジションも獲れましたし、レース1で優勝できたので、すごくうれしいです。レース2は最終ラップの第2ヘアピンで仕掛けたかったのですが、イエローフラッグが出ていたので勝負することができず悔しい部分がありましたが、オートポリスラウンドを全体的に見れば、良いレースだったと思います。次戦、岡山も全力で戦います」
- 作本 輝介選手
「前戦SUGOラウンドからの流れで、いろいろ試したのですが、走り出しから、うまく走らせることができず苦戦しました。チームもいろいろトライしてくれたので、走る度に良くなっていく部分もありました。ただ、まだ自己ベストに届きませんでしたし、自分自身のライディング面の問題もあるので、ARRCマレーシアラウンドに代役参戦させてもらうので、そこで走り込んで、次戦岡山に向けたヒントをつかめれば良いと思っています」
- タナチャット プラトゥムトーン選手
「全日本ロードレース選手権でトップ10に入ることを目標にしていたので、今回それを達成することができたのでハッピーです。伊藤監督を始め、チーム、そしてタイホンダの皆さんが支えてくださったおかげです。この経験をアジアタレントカップに活かしていきたいと思っています。今回で全日本への参戦は最後になりますが、また全日本にチャレンジする機会があることを祈っています。ありがとうございました」