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Hitachi

Race Report

レースリポート
Round7
10月1日(土)、2日(日)オートポリス大分県

Team Point

23Points

Driver Point

20Points

10月1日(土)

公式予選

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4

予選方式:ノックアウト方式 天候:晴れ コースコンディション:ドライ

Astemo REAL RACINGはドライバーランキングトップと20ポイント差の5位で今大会に臨んだ。今大会は例年通りサクセスウェイトが半分となり、Astemo NSX-GTは燃料リストリクターダウンが無くなり、34Kgのサクセスウェイトを積んだ状態で戦うこととなる。
9時20分より始まった公式練習では、順調にマシンのセットアップが進んでいく。セッション最後の500クラス占有走行でQ1担当予定の松下選手がステアリングを握りアタックに臨む。全体ベストタイムを更新していきモニターにはAstemoレッドに輝くマシンが映し出されていたが、次の瞬間Astemo NSX-GTはコースを外れクラッシュしてしまう。幸い松下選手の身体は無事であったがマシンはかなりのダメージを受けていた。
GT500クラスの公式予選が始まる時間まで、残り約3時間。予選に間に合わせるのはちょっと厳しいかもしれない…。わずかにそんな空気が流れるなか、メカニックはそれぞれ自分の仕事を懸命に進めていく。GT300クラスBグループの予選が始まった頃、マシンはなんとか形を取り戻し、GT500クラス公式予選Q1に無事間に合わせることができた。
Q1は松下選手が担当する。チーム一同固唾を飲んで見守るなか、マシンを修復してくれたメカニックに奉げる素晴らしいアタックを決め見事8位でQ1を突破した。続くQ2は塚越選手が担当し、塚越選手も「皆の努力を決して無駄にしない」と語りかけているようなアタックを見せつけてくれ、Astemo NSX-GTは公式予選4位となった。午前中のクラッシュからは想像もしていなかったリザルトだけに、明日の決勝にも一層期待と希望が膨らむ。

10月2日(日)

決勝

天候:晴れ コースコンディション:ドライ

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2

前日はなんとか予選には間に合ったものの、しっかりとマシンを元の状態に戻して気持ちよく決勝レースに臨めるよう、メカニックは夜遅くまで作業し完璧な状態で決勝日を迎えた。
2周のフォーメーションラップの後、65周の決勝レースがスタートした。スタートドライバーは松下。カラーリングが施されていないボンネットとなった限定カラーリングのAstemo NSX-GTだが、マシンから闘志が溢れでているように感じる。クリーンなスタートをきり、松下選手はポジションアップを狙っていくが300クラスとの混走が始まってもなかなか前を走る#19を攻略できない。17周目、300クラスのマシンがコースオフしFCYが宣言される。翌周18周目に解除されその際に出遅れた#19のオーバーテイクに成功し3位となり、6秒前を走る#100を追う。3.7秒差まで迫ったタイミングで#100がピットイン、翌周23周目にAstemo NSX-GTもピットインし、ドライバー交代、ピット作業を迅速に行う。混雑したピットレーンで一瞬ヒヤッとする場面があったが、9位でコースに戻る。
アウトラップから塚越選手はプッシュし、30周目の時点で実質トップとなる。しかし背後を走る#100に追われる展開が続き、1秒以内の攻防戦が数周に渡り繰り広げられるも、塚越選手は落ち着いて300クラスも攻略しながら周回を重ねギャップを少しずつ広げる。52周目に2度目のFCYが宣言される。54周目に解除されそこから2番手とのギャップをみるみる広げていき、65周を走りきり見事Astemo NSX-GTは優勝を飾った。

Comment

金石勝智監督

フリー走行に向けて事前に皆でかなり詰めた話し合いを行い、走り出しのセッティングを決め臨みました。若干アンダーステアを抱えながらもそんなに悪くない状態でセッティングを進めていき占有走行に臨みました。しかしクラッシュしてしまい、予選に出走できるか分からない状態となってしまいました。そんな中皆が頑張って仕事をしてくれ、予選5分前に間に合わせることができました。Q1で松下選手が8位で通過してくれ、塚越選手も流れを断ち切らず4位という結果を持ち帰ってくれ、予選に間に合わないかもしれないという最悪の状況から、PP獲得とはなりませんが最高の結果を得ることができました。決勝に向けてまだまだ改善するところがあったので、再度ミーティングを重ね決勝に挑みました。
決勝前のウォームアップ走行では、狙い通りの車の方向性にかなり近づいたことを確認できたので、手ごたえを感じていました。決勝レースでは松下選手もきっちりポジションを上げてくれ、タイヤ的に後半がきつい作戦でしたが塚越選手に思い切って託しました。43周を完璧に走ってくれ最後まで持ちこたえてくれ優勝することができました。ドライバーはもちろんのこと、スタッフにも感謝が止まないレースとなりました。優勝でき本当に嬉しかったです。やっと強いチームになれてきたな、と思っています。
これで最終戦は自力チャンピオンを獲得できるポジションとなれたので、最終戦は今年の集大成となるレースをしてタイトルを獲得したいと思っています。本当に今回はスタッフに感謝しています。そして皆さんの変わらぬ応援、ありがとうございました。

塚越広大選手

前戦SUGO終了後すぐに車のセットアップについて皆でミーティングを重ね、特に決勝に向けてはアイデアを出し合って今大会に臨みました。限りある時間の中でセット案のどれを試すか難しいなか、メカニックの迅速な作業も手伝い色々と試すことができました。ただ、10分間の占有走行で松下選手がクラッシュしてしまい車の修復に時間がかかり予選に向けて走れるかどうかという状況でしたが、メカニックの素晴らしい作業のおかげで予選をしっかり走ることができました。また、松下選手もクラッシュがありましたがしっかりと気持ちを切り替えQ2に繋げてくれたので僕自身もそこからさらに上の順位を狙って4番手で予選を終えることができました。決勝日も予想以上に気温が高く、タイヤのケアがすごく難しいのかなという予想を見据えて決勝に臨みました。スタートしてから松下選手も順調に周回を重ねてくれ、車の調子も良さそうな雰囲気を感じながらポジションを一つ上げてバトンをつないでくれたので、非常に助かりました。さらにピットのタイミングと作業も早かったので、アウトラップをプッシュして実質トップでコースに戻ることができ、その中で後ろのライバルに詰め寄られるシーンもありましたが最後まで車を信じてゴールまで運ぶことができ、最終的に勝つことができました。
鈴鹿、菅生とハプニングがあり、今回もいろいろとありましたが、それをチーム力でカバーしながら勝つことができ、最終戦には自力でチャンピオンを獲れるポイント差までもってこられたという事は非常に大きいと思います。更にレベルを上げて、最終戦で勝ってチャンピオンを獲れるように準備をして臨みたいと思います。たくさんの応援ありがとうございました。

松下信治選手

オートポリス大会のセッティングについてチーム内で熱い議論をして、どういう方向性にもっていくか時間をかけて話し合いを行いました。フリー走行では調子もそこそこ良かった中でクラッシュしてしまい、そこから流れが悪くなったように思えたのですが、チームの皆さんの頑張りとサポートでなんとか予選に間に合い4位とう結果を得られました。まだまだ狙えるぞという位置からのスタートなので、日曜日の朝からすごくポジティブに感じていて落ち着いてレースに臨めました。それがこのような優勝という形になり本当に嬉しく思っています。最終戦に向けてライバルと勝負できる位置に居るので、チャンピオンを獲ることを第一目標に全力で戦っていきたいと思います。